インキュベクス株式会社です。

こちらのページでは、『10年後を生き抜く「経営の考え方」』と題して、当社がなぜ皆様に訪問看護ステーションや住宅型有料老人ホーム運営をお勧めするのか、さらに経営者の皆様に知っていただきたいこと、成功するために必ず押さえていただきたいポイント等を7回に分けてお伝えいたします。

第2回目は、前回お伝えいたしました「国策」について、国が在宅復帰率を上げる方向へ舵を切らざるを得なかった背景、そしてその結果何が起きるかを、さらに掘り下げて見ていきたいと思います。

もはや猶予は無い。誰もが気づいていながら先送りしている事実。

e-bookで、すでにオリンピックの5年後には約700万人いる団塊の世代がすべて後期高齢者になること、そしてその方々は「どのような状態の」高齢者なのかもお伝えしました。要介護度3以上、いわゆる「重度」と呼ばれる医療依存度の高い方が急増することはご理解いただけたと思います。

以下の表をご覧ください。

これは実際に、今から2年前の2016年2月に亡くなった在宅医療患者の方が、亡くなる直前の1月にお使いになった医療保険・介護保険の金額です。

医療保険で約13万円、介護保険で約21万円、合計35万円弱。これが国費として使われました。

下段は、仮にこの方が病院でずっと入院してケアを受けていた場合に同じ1か月でかかる費用です。

医療保険で30万円から50万円。癌の方も日本は多いので、緩和ケア病棟に入ると、さらに追加で100万円から150万円。

病院でずっと入院されている状況と、ご自宅に帰ってケアを受けていらっしゃる状況とを、国費だけで比較すると一人当たり100万円以上の差が出ることがお分かりかと思います。

自宅で自然に亡くなってほしいというのが国の本命

国は、この差額を「使わないでほしい」と言っているのです。

命をとりとめたら、自宅に戻って療養し、自宅で自然に亡くなってほしいというのが国の本命なのです。

これが「国費抑制」のための「政策」です。もはや綺麗ごとではない、なりふり構わない国の姿勢にお気づきいただけたと思います。

国は上記の政策を実際に行使するため、前回見たとおり、「在宅復帰率の設定」と「報酬制度の縛り」をもって、病院からの早期退院を徹底させようとしています。

ところが――

かたやそういう流れを着々と進めているのに、在宅での患者の引き受けとケアをどうするかという問題は、いまだ中途半端に残されたままなのです。

病院の病室で行われているのと同じケアが患者様のご自宅でも行われなければ、早期退院させたとしてもまったく意味を成しません。

あなたは想像できますか?あふれる医療難民・看取り難民

さらにここに、日本特有の問題もあります。

自宅に(患者を)戻しなさい、と早期退院を促す。ところが自宅に戻った方々には、「一人暮らしの高齢者」が非常に多いのです。

現在、日本人の50歳以上の男性4人に1人、女性は7人に1人が独身です。

さらにあと10年程度で男性は3人に1人、女性は4人に1人が独身になると、すでにe-bookでお伝えしました。

毎年夏に起こる、独居老人の熱中症孤独死。頻回に誰かがお年寄りの自宅に行く状況があれば、お年寄りが一人で亡くなって数日経って見つかる状況は、ほぼ防げます。

しかし、実際には見守りサービスもなく、放置している状況が何日も続くからこのようなことが起こってしまう。
独り暮らしの高齢者が増えるということは、今後ますますこのリスクが高まる、「社会問題」です。

「看取り難民」という言葉はご存知でしょうか。

簡単に言うと、死に場所が無い方。今後そういう方が続出するというデータがこちらにあります。

2030年には、亡くなる人が年間160万人を超える。そのうち、40万人の人に「死に場所が無くなる」と言われているのです。何故死に場所が無くなるか。

病院から早期退院させられた高齢者はどうなるのか

ここでシミュレーションをしてみます。

国策により「病院から早期退院してください」となった高齢者がいます。経営が苦しいながらも預かってくれていた病院が、いよいよ経営が立ち行かなくなり半ば無理矢理退院となりました。

ご家族のところに身を寄せようとするも、「引き受けるのは無理です」とその方の子供が難色を示してしまいます。
日本人気質といえますが、その高齢者の方は子供に気を遣い、迷惑をかけられないから「いいよ、わたしひとりで住むからね」と言ってしまいます。

その気持ちはいいとして、ではどこに「住む」のか?

体が悪い方ですから常にケアを受けなければならない。介護付きの有料老人ホームをまず探すでしょう。

ところが、現在の介護付き有料老人ホームは、平均月額で17万3000円というデータがあります。現在の年金の平均月額は15万円前後なので、年金の金額を超えている。ようは、「入れない」のです。

では、アパート・マンションは?

アパート・マンションも、大家さんたちはたやすく貸してくれません。病気があって高齢で亡くなるかもしれない方です。保険会社を入れてほしいなども言ってきます。つまり「住むところがない」のです。

国の財政が破綻するかもしれない現状の中、国は決して手を緩めることはありません

その結果どうなるか――

どこか家が決まったふりをして、実際はビルの陰で住んだりするようになる。

ご存知かもしれませんが、たとえば多摩川の河川敷にもそういう方がおられます。もちろん全員が高齢独居老人だった方というわけではありませんが、すでにその危機が迫っているのは事実です。

40万人がそういう状況になる未来がすぐそばまで来ています。

今、まだほとんどの人たちが、そんなことが現実になるとは思っておられない。しかし現実です。

国の財政が破綻するかもしれない現状の中、国は決して手を緩めることはありません。

あなたが本業ビジネスを展開している地域の問題とつながる何かに、お気づきではありませんか?

ここまでご覧になって、あなたは何を思われたでしょうか。

ここまでの行間に、すでにいくつかのヒントが実はひそんでいます。見つけられたでしょうか?

国費抑制のための現実的な受け皿。
独居老人の孤独死の回避。
医療難民・介護難民・看取り難民の行先。

あなたが本業ビジネスを展開している地域の問題とつながる何かに、お気づきではありませんか?

次回は今回までにご説明した状況をふまえたうえで「ビジネスのための情報収集方法」についてお話したいと思います。

ここまでお読みくださってありがとうございました。