絶対ダメです!!「訪問看護指示書」なしの訪問看護

インキュベクスの青井です。
訪問看護は、医師が発行する「訪問看護指示書」がなければ、たとえ利用者の希望があったとしても行うことはできません。
本日は、もしかしたら「訪問看護指示書」なしで、あなたも訪問看護を行ってしまうかもしれない、ヒヤリとする事例をご紹介いたします。
それでは、「訪問看護指示書」がないまま、訪問看護を行ってしまった事例をご覧頂きましょう。
◆事例1 ≪ご家族が直接依頼を出した?でも、どこからも指示書が来ない!≫

利用者さんのご家族から直接、手術入院の退院後に訪問看護を提供して欲しいという希望が出されました。
ステーションから主治医の確認と、指示書が必要であることのお話をすると・・・
「退院後に近所のクリニックにかかるので、その先生にお願いする」とのこと。
指示書が届く前に利用者さんは退院し、つい訪問看護を開始してしまったものの、なかなか指示書は届きません。
ステーションがクリニックに聞いてみると、「入院していた病院に頼んでよ」
と、言われてしまいました。病院に連絡を入れると、
「訪問看護なんて必要ないので書けない」
と指示書の発行を拒否されてしまったのです・・・・
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こうした事態は、本当に危険な状態です。
「訪問看護指示書」がない状態で訪問看護を行ってしまうのは、一番やってはいけないことです。
保健師助産師看護師法(保助看法)に違反しており、免許の取り消しや懲役、罰金といった刑事罰の可能性もありえる話です。
もし、「訪問看護指示書」がない状態で事故などを起こしてしまったら、取り返しのつかないことになりますので、絶対に「訪問看護指示書」がないままの訪問看護の提供はやらないで下さい。
上記の場合、どのように対応するとよかったのでしょうか?
まず、利用者のご家族任せにしてしまったことが、そもそもの間違いと言えます。
加えて、入院先の病院か、退院後のクリニックなのか、「訪問看護指示書」の発行元がはっきりしないまま、話が進んでいることが非常に危険です。
まずは、ステーションから直接、病院やクリニックに対し、利用者側から希望があったことと「訪問看護指示書」をどちらが発行するのかを事前に確認する必要があります。
また、利用者側から依頼されたことだとしても、必ず「訪問看護指示書」が届くまで、訪問看護を提供せずに待つ必要があります。
仮に、保険適応ではなく自費の利用だとしても、単なる「お手伝い」を越えた「看護」のサービスは「訪問看護指示書」が必要になりますので、ご注意下さい。
◆事例2 ≪継続の指示書が届かない!やっと届いた時、内容が変わっていた!≫

主病名が「末期がん」で、“医療保険”が適用される利用者さんの指示期間が切れてしまいました。
事前に継続の依頼を出したものの、指示期間が切れるまでに指示書は届かず、そのまま指示書が届くまでの2週間、訪問看護を提供してしまいました。
しかし、やっと届いた「訪問看護指示書」は、利用者さんの状態が良好になったということで「末期」の記載がなくなってしまい、今回の指示書では“介護保険”の適用になってしまったのです。
利用者さんが他の介護サービス利用の際に関わっている担当ケアマネに事情を話し、ケアプランの作成を依頼したものの、
「担当者会議も行っていないプランは作れない。
訪問看護に入ってしまった分は自費で貰ってくれ!」
と言われてしまったのです・・・・
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この事例でも、「訪問看護指示書」がないまま訪問看護を提供してしまっており、大変危険です。
仮に継続的に訪問看護を利用している方であっても、指示書の期間が切れた場合は、そのまま継続してはいけないということになります。
継続が確実な場合でも、その指示の内容が同じとは限りません。
こうした場合も、基本的には「訪問看護指示書」が届くまで待つことになります。
もちろん、利用者の方にとっては、継続的なサービスが中断されてしまうのは理不尽に感じるでしょうし、状況からも簡単に中断できない場合は、最低でも指示書を発行した医師に連絡を取り、指示の内容を今一度、確認することが必要と言えます。
原本が後になってしまうとしても、必ずFAXやコピー等で病名や指示内容を確認して下さい。
まずは、「訪問看護指示書」がない場合は、訪問看護を行わない、そして、発行元を確実に特定して、しっかりとその内容を確認する、こうした基本的なことを、今一度、再認識して頂きたいと思います。
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