インキュベクスの上村です。

住宅型有料老人ホーム「介護の王国」の普及にあたり僕はまず自社のサービス開発・サービス設計に制約条件を掲げた。

具体的にはこのようなものだ。

1)95.000円で入居できること
2)介護士の年収を400万~550万に設定すること
3)看護師の待遇は年収600万~700万円を実現すること
4)介護施設物件を貸してくださる大家さんへの利回り11%を実現すること
5)1部屋あたりが月間40万円を生み出すこと
6)と・・・忘れてはいけないのが介護事業者の営業利益を20%以上とすること

誰しもが「出来ない!」と言うことを実現するためには、医療体制がマストでした。

つまりは訪問看護ステーションの立ち上げに踏み切ったのです。

「介護の王国」はなぜ強い?

僕が思うに「介護の王国」は、圧倒的なコストダウンの勝利といえます。

具体的には、建築コストと運営費用をあわせて1億円程度のコストダウンを実現したのです。

一部をご紹介します。

僕は介護施設を建築するにあたり、おおよそ500時間だったかな?

介護施設に張り付いて“行動観察”というのを行いました。

その結果、介護施設の使われ方が見えてきたのです。

実際に介護施設を建設するにあたり、多くの方々のメリットを考えました。以下、ご紹介いたします。

大家さんのメリット

まずは・・・不要なもので建築コストを上げない! を心がけました。

1)給食利用でのキッチンコンパクト化  一式500万円

2)各お部屋の水回りを共有化・コンパクト化 一式4370万円

3)その他、細かなこだわりが多々ありますが、総額5000万円以上のコスト圧縮を実現したのです。

建築会社のメリット

わずか19床の介護施設(390㎡)を9500万円で見積もりしています。

大手建築会社にも、営業利益25%を超える商いをお約束出来ればと考えました。

実績は全国に広く広がっています。

運営者へのサポート

一時金をもらわない介護施設づくりを考えました。

その上で、月額95.000円の介護施設経営の実現を目指したわけです。

まずは・・自分自身でも経営を行ってみました。

その際の新たな取り組みのうち、4点をご紹介いたします。

1)「太陽光パネル」の設置で年間240万円の光熱費を削減

2)離床センサーを採用したことで介護施設に勤務する方の人件費をおおよそ1名分を圧縮

3)再加熱カートの採用・配膳担当者の食事提供時間1日9時間×30日=270時間を削減。年間360万円以上の運営コストを圧縮。

4)あとは・・小さなこだわりですね。全館自動照明を採用していますが・・・僕が出入りしないときはどうやら使用していない感じです(笑)


上村 隆幸(かみむら たかゆき)

1965年神奈川県生まれ。1998年、起業コンサルタント業を開始し、以来3000社を超える起業支援を手がける。日本の医療のが在宅シフトにともない「子供からお年寄りまで」すべての生活者が安心と幸福を実感できる地域社会づくりに向けて「ケアーズ訪問看護ステーション開業運営支援」を開始し現在全国800社以上をネットワーク。また「介護の王国」では食費を含めた¥95.000を関東圏で実現する。こちらは全国70拠店。

2021年より神奈川県南足柄市で農業生活をスタート。生産者の視点で「農のある暮らし」「農のある医療」「農のある介護施設」づくりを推進している。

青山学院大学 大学院 国際マネジメント研究科 MBA
産業技術大学院大学(AIIT)創造技術専攻 事業アーキテクチャ(修士)
国際医療福祉大学大学院 保健医療学 博士課程(中退)
新極真空手 木元道場所属 初段