とことん合理性を追求! 経営者自ら営業に!
担当者会議にも社長が出席。利用者様を知ることもでき、ケアマネージャーともゆっくり話ができるのが利点

――吉本社長といえば、合理的に、無駄なく経営されているとインキュベクス内では評判です。
当初から社長自ら営業に回ったと伺いましたが・・・


吉本:そうです。
営業は、僕が行きます。

回る先のリストを作って、住所を車のナビに入れて、訪問して車を停めて、営業。その程度は別に苦じゃないです。もともと僕は保険の営業をやっていましたからね。

訪問看護の営業は、不動産や車のディーラーとは違うんです。よくある「商品の内容を説明して、相手のニーズを聞いて、次来るときはまた違う商品を持って行く」という営業ではありません。

「誰がやってもできる」営業なんですよ。
相手が何を望んでいるのかは別に関係ない。一方的でいいんです。

「うちはこういう訪問看護ステーションです、よろしくお願いします。うちに合う患者さんがいたら紹介してください。」

「うちは24時間やってないので、そんなに重い患者は診られないけど、軽い患者さんがいれば紹介してください。」

「リハビリにも力を入れてやっています。リハビリのご利用者さんもぜひ紹介してください」

これだけです。


――社長ご自身が何回も何回も行っているうちに、ケアマネージャーさんとも顔なじみになれますね。


吉本:そうですね。
ああ、また来たのねって言われるようになって。


――そうなるまで、けっこう早かったですか?


吉本:早かったですよ。あと、営業だけでなく担当者会議も、スタッフではなく私が行くようにしています。

担当者会議に看護スタッフが出ても、その時間はお金になりませんから。それなら訪問に行ってもらう方が合理的です。

私が行くメリットとしては、ゆっくりケアマネージャーさんと話をすることができること。うちがお引き受けしている患者さんの情報もいただけます。


――看護師さんたちに、社長自ら営業に回っている姿を見せて、自ら回って感じたことを話して、それがまた信頼につながっていったということでしょうか。


吉本:そうですね。
看護師さんと共通の話題ができるのは良いことだと思います。

僕は、医療的な話はできないじゃないですか。この治療をどうしたらいいかなんて、わからないし、指示もできないし。ただ、患者さんの顔を知って、どんな方なのか覚えることはできます。

その方の家に行ったことがあれば、「○○さんの家はこんなだよね」「あそこは犬を飼ってるよね」などと、話ができる。そこは僕と看護師さんたちがつながるポイントですよね。


――スタッフとの関係性も、一歩ずつ積み重ねていかれたということですね。ところで、最初は家賃11万円の物件を借りられて開業されたとのことでしたが、現在の事務所は・・・?


吉本:同じ場所です。


――同じなんですね!
当初よりスタッフの数が増えておられますが、手狭にはならないですか?


吉本:結局、事務所が狭くても、朝15分だけなんですよ、ごちゃごちゃしているのは。

終わる時間は多少訪問先によってずれが出てくるので、かぶっても2、3人くらいです。

訪問が終わった者はすぐ着替えて帰っていくし、日中は僕と事務の方だけですから、特に困ったことはありませんね。

時間その他の融通がつけられることは看護師さんにも好評。
定着率が良いのがその証拠!

――飲み会的なものを2か月に1回くらい催していると伺いました。

同じようにステーション内の関係づくりや、看護師さんに長く勤めてもらうための待遇面などで工夫されていることはありますか?


吉本:最初に決めた給料はそれ以上、上げるわけにはいかないので。

うちは訪問が無い時間帯はゆっくり来てもらったり、逆に訪問が早く終われば、わざわざ6時まで残さず、帰っていいよって言ってます。

たとえば、朝イチの9時半からの訪問がなくて11時からの場合は、10時に出勤してきていいよ、とか。

遅くまで仕事も無いのに事務所に残って、従業員同士が何を喋っても、絶対いい話は出ないじゃないですか。悪気は無くても、噂話って文句しか出ないでしょう。それは何の業種でも同じですよね。

「もう空いてるなら、早く帰っていいよ今日は」って言います。後で忙しくなったら働いてもらうから、早く帰れるうちに帰りなさい、と。

看護師どうしの接点もなるべく引き離すように、僕はしましたね。最初はね。遅刻早退も、事前に言ってくれれば、ペナルティなしで時間を取らせています。

その日行こうとしていた利用者さんを、違う日、違う時間帯に移しさえすれば、最初に決めた時間に必ずそのスタッフが出勤する必要はありません。

本来そのスタッフが行かなければいけない1か月あたり100件の訪問を、どんな形でもいいから100件行ってくれればよいと考えています。


――うまく振替調整されているということですね。
ちなみに、皆さん長く勤めていらっしゃるのでしょうか?


吉本:うちに勤めている看護師さんで、辞める理由は「引っ越す」「結婚して遠方に住まいする」などの、不可抗力によるものがほとんどです。

うちから他の訪問看護ステーションに転職するというのは今まで無いです。
働きやすさの徹底には自信ありますよ。つけられる融通は、全部聞いてあげられますので。


――それは喜ばれますね。お子さんがいらっしゃる方などは、ありがたいでしょうね、その融通の効きやすさは。他の職場ではありえないです。

さきほど、看護師さんはお金にならない業務はさせない、とにかく訪問に行ってもらうという話がありましたが、事務仕事も基本的に無駄なことは割り振らないのでしょうか。


吉本:看護記録も訪問時間内に書かせています。複写になっているので、事務所に戻ってきたら、それをカルテに挟んで終わりなんですよ。

月末の報告書と計画書は、合間の時間にパソコンに打ち込まないといけませんが、それだけです。


――そういう評判がまた、採用等につながっていくんでしょうね。


吉本:だから「ある程度のお金と、たくさんの時間をうちでは使える」とスタッフに言っています。だから、うちを辞める理由は無いと思います。


さきほどの座談会で、社長のお話で「PTがPTを呼ぶ」という言葉が印象的でした。

PTさん同士で「あそこの給料がいい」「働きやすい」などの情報交換をすることは、実際に多いんでしょうか?


吉本:仲間内で勉強会の開催は、していますよ。情報交換もそこでしているのではないかな。


第4回目に続きます。

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