訪問看護ステーション開業ストーリーVol.8『採用と営業のタイミング』

インキュベクスの青井です。
「柔道整復師の資格を活かして起業したい」と希望された経営者様がどのように訪問看護ステーションの開業に至ったかをシリーズでお伝えしています。
前回は『稼働率と人件費率』についてお伝えしましたが本日は『採用と営業のタイミング』についてご紹介致します。
同社が徹底する採用のタイミングとは?
このステーションは、高稼働の状態を保つ事で人件費率を60%以下に抑えながら、平均年収が404.8万円といわれる理学療法士に対して年収600万円以上を実現しております。
そんな同社が、徹底する採用のタイミングは、ズバリ新人スタッフの稼動が80%になった時です。
これには、根拠があります。
同社の統計では新人スタッフの稼働率が80%以下で新たに増員してしまうと事業所全体の稼働率の低下(手待ちの状況)を招き、逆に稼働率が85%以上からの採用ではケアマネージャーや医療機関から緊急の依頼に対応が出来ないことも想定されるためにこの「稼働率80%」が非常に重要なポイントとなります。
もう一つのポイントは、『営業のタイミング』について
もう一つのポイント『営業のタイミング』についてです。
計画的な採用が組めていない訪問看護事業所では、面談に来た看護師・療法士を即採用し、既存の利用者様を新人スタッフに割り振るなどの対応になりがちです。
しかしこの行為が結果として稼働率の低下につながるケースが多く見受けられます。
これに対し、このステーションでは『すぐにでも勤務したい』と希望する看護師・療法士に対しても、採用までに2ヶ月の期間を設ける事を徹底しています。
その2ヶ月の間に経営者自ら、地域のケアマネージャーや医療機関に対して入職予定のプロフィールを添えた営業ツールを持参し営業活動を行います。

これにより、入社時には、約60%の稼動の状態を実現でき、稼働率の低下を防ぐ事が可能となります。
先日、経営者にこれまでの自身の活動を振り返っていただきましたが『地道に営業活動と採用活動を繰り返しただけですよ』との事でした。
次回に関しては『お金にならない業務について』についてご説明いたします。
これまでの記事
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.1『経営者が訪問看護を目指した理由はとは?』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.2『開業場所を決定する際のポイントとその結果について』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.3『経営者様が開業直後に直面したスタッフ問題とは?』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.4『看護師・療法士のアンケート見えてきたこととは?』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.5『営業活動から見えてきた2つの運営モデル』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.6『経営者が下した決断とは?』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.7『稼働率と人件費率』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.8『採用と営業のタイミング』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.9『お金にならない業務について』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.10『一人の利用者様に訪問サービスを最大限に活用いただく方法』
訪問看護ステーション開業ストーリーVol.11『近隣のケアーズとの連携でケアマネージャーの手間を省く』