こんにちは、インキュベクスの上村です。
今日は、私が介護・医療分野における事業への投資を決める際の判断基準についてお話ししたいと思います。 

この分野で成功するためには、単なる感覚ではなく、緻密な計算に基づいた戦略が必要です。
私がどのようにして地域に最適なビジネスモデルを選び、実現しているかをご紹介します。 

投資判断の基準 

1. 営業利益と営業利益率 

まず第一に重視するのは、営業利益とその利益率です。
介護・医療ビジネスは、適切に展開すれば年間成長率が3割から4割を見込める堅実な分野です。
しかし、どの事業に投資するかを決めるためには、営業利益率や利益額をしっかりと計算する必要があります。 

2. ROI(投資利益率)と回収期間 

次に重要なのがROI(Return on Investment)です。
投資した金額がどれくらいのリターンを生むのかをシンプルに計算します。
たとえば、訪問看護ステーションを開設する際には、人員を15名程度まで拡大すると仮定して、単月黒字化までのスケジュールや投資額の回収期間を具体的に見積もります。 

3. 最大Pay Out 

事業開始時に必要となる最大の資金拠出額も評価します。
たとえば、訪問診療クリニックをドクター1人で開業する場合、最大7000万円ほどのキャッシュアウトが見込まれることがあります。
これを他のビジネスと比較して、リスクを見極めます。 

4. B/S (バランスシート)計画 

利益をどのように活用するかも重要です。
獲得した利益をキャッシュ(流動資産)として保有するのか、あるいは固定資産に転換するのかを検討します。
バランスシートを活用して事業の安定性を確保します。 

5. 採用の難易度 

時代背景や地域特性に応じて、採用の難易度を数値化します。
人材確保が難しい分野や地域での展開には注意が必要です。 

6. 再現性の高さ 

事業の再現性も重要な要素です。
特定の人がいなければ運営が成り立たないモデルではなく、医療者間でスムーズにバトンタッチできる仕組みを作る必要があります。
特に私自身は医療者ではないため、再現性の高いモデルに注力しています。 

7. 事業リスクの評価 

例えば、特定のエリアで介護施設用の物件を探す場合、なかなか見つからないこともあります。
これもリスクの一つです。
介護施設や訪問看護ステーションなど、業種業態によって異なるリスクを洗い出し、点数化します。 

8. 労働分配率 

労働分配率も評価に含めます。
労働分配率について馴染みがない方は調べてみてください。
この指標も非常に重要です。 

9. 年間成長率 

クリニックは他の事業と比べて年間成長率が非常に高いのが特徴です。
この点も事業選択の際には見逃せません。 

10. DX化の可能性 

最後に、DX(デジタルトランスフォーメーション)についてです。
バックオフィスのDX化を進めることで、売上が増加しても経費を一定に抑えることができます。これにより効率的な運営が可能になります。 

地域特性を考慮した事業選定 

すべての要素を点数化したうえで、地域の特性も考慮します。
そして、「この地域ではどの事業を、どれくらいのスケジュールで進めるべきか」を決定します。
感覚に頼ることは一切なく、計算と実績に基づいた判断を行います。 

たとえば、訪問診療クリニックや訪問看護ステーション、介護施設、訪問介護、居宅介護支援事業所などが挙げられます。これらの中から、地域のニーズに最も適したものを選びます。 

迷っている方へのアドバイス 

もし、どのビジネスを始めるべきか迷っている方がいらっしゃれば、実績に基づいたアドバイスが可能です。
特に、介護・医療分野での成功を目指す方にとって、このような緻密な計画と分析が鍵となります。 

ぜひ皆さんも、自分の地域で何が必要とされているのかを見極め、成功への一歩を踏み出してください。
ご相談、お待ちしております。