元インキュベクス代表取締役(現:円仁会代表)の上村(かみむら)さんにお話しいただいております。
こんにちは上村です。
本日は、医療・介護ビジネスにおける創業メンバーの入れ替わりについてお話しします。
私自身、訪問看護ステーションや介護施設、居宅介護支援事業所、クリニックなどを運営しておりますが、その中での経験からお伝えできることがいくつかあります。
こちらの動画はYouTubeでも配信しておりますので是非ご覧ください。
創業当初のメンバーがずっといるとは限らない
私が10年前に初めて訪問看護ステーションを立ち上げたとき、地域で知られた経験豊富な管理者を迎えて展開しました。しかし、その方は現在もういません。けれども事業は成長し、地域の皆様に必要とされる存在として今に至っています。
介護施設においても同様で、創業メンバーが当初目指していた介護サービスと、地域のニーズが合わないことがあり、その結果、人によっては長く続かないケースが発生しました。
また、私が開業支援を行っている「ケアーズ」ブランドの訪問看護ステーションでは、過去10年間で北海道から沖縄まで約1000カ所を立ち上げてきました。
その過程で、多くの経営者と創業メンバーの変遷を見てきましたが、管理者の入れ替えは7〜8割の確率で起こるように感じます。
創業メンバーはなぜ入れ替わるのか?
どんなに強い信頼関係があっても、また、どれほど固い握手を交わしても、人にはそれぞれの事情があります。
- 環境の変化による退職
- 他のビジネスチャンスへの挑戦
- モチベーションの変化
- 体力的・精神的な問題
「一生ついていきます!」と誓ったメンバーでも、ある時点で辞めたくなる、あるいは辞めざるを得ない状況が訪れます。
経営者が持つべき心構え
こうした状況を考えると、経営者としては人の入れ替わりを前提にした組織運営が求められます。
1. 一人ひとりの退職に過度に傷つかない
信頼していた人が辞めると、当然ショックを受けることもあります。しかし、組織とは常に流動的なものです。
そのため、一人の退職を過剰に気にせず、前向きに組織の成長にフォーカスして考えていくことが大切です。
2. 常に優秀な人材を探し続ける
経営者は、「この人がいなくなったらどうしよう」ではなく、「次の優秀な人材をどう確保するか」に意識を向けるべきです。
医療・介護業界は、人材確保が事業の継続に直結するため、
- 採用活動を継続的に行う
- 候補者と積極的に関係を築く
- 教育・研修の機会を設ける
といった取り組みが重要になります。
3. 長く働いてくれる人の特徴を見極める
私の経験から言うと、派手な宣言をする人ほど辞めやすい傾向があります。
過去、私の会社には80名ほどの社員さんがいましたが、「一生ついていきます!」など大袈裟なアピールをしていた人は、誰一人として残っていません。
一方で、社内で起こる色々な波にもまれながらも、コツコツと地道に仕事をしてきた人は、かれこれ30年以上経った今でも一緒に会社を支えてくれています。
まとめ
医療・介護ビジネスでは、創業メンバーが長く続くとは限らないという現実を受け入れることが重要です。
そのため、
- 人材の流動性を前提にした経営を行う
- 優秀な人材を常に確保する姿勢を持つ
- 長く働いてくれる人の特徴を見極める
といった対応が求められます。
経営者として余裕を持ち、人材採用・育成に積極的に取り組むことは、強い組織を作る上で欠かせないひとつの要素と言えるでしょう。
皆さんの事業運営の参考になれば幸いです。
最後に・・・円仁会とは? |
円仁会は、インキュベクスやケイスラッシュ、医療関係施設など、複数の関連会社を統括するホールディングカンパニーです。今年 1月より私は円仁会の代表取締役に就任し、よりスムーズな運営を目指して、各関連事業所の代表職を信頼できる方々に委ねております。 |