
インキュベクス顧問の上村です。
2026年、私たちは訪問介護・看護ステーションを全国で46拠点まで拡大し、約1億5000万円の投資を実行します。
この規模での営業利益を基盤に、次の目標は「2027年末までに6億円の営業利益」を達成することです。
不動産投資で10%や20%のリターンを目指すような話ではありません。
私たちが取り組んでいるのは、それをはるかに上回るスピードとスケールを持つ、地域医療・介護の社会的インパクトビジネスです。
なぜここまでの投資を決断したのか
私自身はどちらかといえば、堅実で地味なタイプの経営者です。
派手な冒険はせず、着実に積み上げていくことを信条としてきました。
2018年に介護施設や訪問看護ステーションなどの直営事業を始め、年商約1億円ほどの規模で運営してきました。
しかし、2025年1月――私は経営の次のステージに進む決意を固めました。
そこで新たにCFO(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー)を社内に迎え入れたのです。
彼の第一声は衝撃的でした。
この資金の使い方、つまらないですね。全然有効活用できていません。
年間1億円の利益を出していても、その資金が眠ったままでは、企業としての成長は止まってしまいます。
それを聞いた瞬間、胸を突かれた思いでした。
「石橋を叩いて渡る経営」からの脱却
私のこれまでの経営スタイルは、「石橋を叩いて渡る」ものでした。
新しい拠点を出すのも、年に1か所か2か所。
このペースでは、仮に年間40拠点を目指しても、20年、いや40年もかかってしまう計算になります。
私はすでに60歳。
このままでは、理想と理念を実現する前に寿命が尽きてしまう。
そう感じた瞬間、腹を決めました。
「今しかない」
――そう思ったのです。
CFOとの出会いがもたらした転機
正直なところ、最初はCFOの話を聞くのも嫌でした。
数字ばかり言われても、現場を知っているのは自分だという自負もありました。
しかし、自分ひとりでは到底思いつかなかったような視点や戦略を得られたのも事実です。
感謝の気持ちとともに、「やってみよう」と腹をくくりました。
真面目でコツコツ型の経営者こそ、今一歩を踏み出すべき
この経験を通じて伝えたいのは、「真面目な経営者こそ、勇気ある一歩を踏み出すべき」ということです。
3年前、5年前と比べて、会社の規模も収益もほとんど変わっていない。
そんな状況に心当たりのある方も多いのではないでしょうか。
努力はしているのに、成長が実感できない。
それは「やり方」や「考え方」の問題ではなく、「決断力」の問題かもしれません。
経営は待ってくれません。
理念を実現したいなら、「今」動くしかないのです。
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経営者としての覚悟
46拠点展開、1億5000万円の投資、そして60億円の営業利益という大きな目標。
決して簡単な道ではないはずですが、不思議と迷いはありません。
私はこの事業計画という“お風呂”に首までどっぷり浸かっているのでしょう。
他のことなんていらない。 今はもう、そんな気持ちです。
終わりに:成長に悩む経営者へ
事業成長に悩んでいる経営者の方々へ。
もしあなたが誠実で努力家で、しかし数年変化がないと感じているなら――、
ぜひ私のようなケースを一つのきっかけにしてみてください。
「慎重すぎる経営」が成長を止めている。
そう気づいた瞬間が、あなたの会社の転換点になるはずです。