訪問看護/訪問介護/施設運営/訪問診療のバックオフィス、起業支援を行っている、インキュベクスグループの上村です。
今日のテーマは、『これだけ数字が上がるんだったら訪問看護ステーションやらない手はないよね?』
そんなお話をしていきます。
“とにかくまずは起業したい人”の考え方、それに対してある程度経験値がある私の考え方を数字で対比しながら、前者と後者としてご紹介していこうと思います。
“まずは起業”を考えている方々の陥る罠”
罠と言うのは申し訳ないかもしれないけれど、訪問看護ステーション経営って面白いんだけれども半数ぐらいは淘汰されてしまう、その理由にもなっているかもしれません。
まず、全者であるこれから起業してコツコツ数字を上げていき事業の成長ができればいいな、なんて思われているような方々は、こんな計算していないですか?
訪問1回あたりの単価が例えば
9500円とか1万円くらいだとして、1日当たり4件程度の訪問ができればいいよね、と。
ナース1人の売上が76万円ぐらいあるので、2.5名で始めることができれば
190から200万円くらい、と。
こんな風に考えると思うのです。
ですが私の考えは全く違います。
何が違うのか?
大きく違うのが、訪問単価です。
私が考える、あるいは私自身が実践しているのは、
ナースの1回あたりの訪問単価が1万2000円から1万3000円、
そして1人あたりの訪問件数が1日あたり5.25件です。
これが私の事業所の実績値です。
5.25件×20日で一人の売上が126万。
さきほどご紹介した1か月あたり76万円と比較するとだいぶ違いが出ます。
例えば同じ2.5名で体制での数字を比較してみると、前者が1か月190万くらい売り上げるのに対して、私のところでは実績値でその1.5倍から2倍弱に当たる315万円程度を叩き出すわけです。
何が大きく違うかというと、前者はほぼ全般、介護保険だけのサービス提供ということ。
対して私は、医療保険を厚めにとるというオペレーションをします。
よくある前者の考え方として、訪問看護ステーションはまずは2.5名ぐらいから始めて毎年ゆっくりゆっくり成長させようというもの。
一方、私が考える訪問看護ステーションは、ナース8名、PT7名の15名がひとつのセットです。
今日はPTについてはご紹介しませんが、
ナースの例だけで数字をご紹介いたします。
もし、前者がナース8名を採用して先ほどの単価でやろうとすると、1か月あたりが609万円。(※608万円の間違いでは?)一方、私は1人の単価が126万円、1か月が約1000万円。月にして400万円以上違ってきます。
年間で4800万円の差です。
随分大きいと思いませんか?
さらに別の比較もしてみます。
私が8名のナースを配置して月に1008万円の月商を上げるとします。
実際にはオンコールの手当てなども付きますからこの程度で収まることはありませんが。
同じように前者が1008万を売り上げようと思うと、単純計算で13名の配置をしないといけないことになります。
この時かかる人件費が471万円。
ちなみに私のほうは433万円です。
僕らが採用しているナースの賃金は650から700くらいと、結構高いですが、その代わり医療保険レベルの処置に対応できる人のみを採用するという前提なので、まあなかなかの腕利きなわけです。
その上で、私は給与支払い後の営業利益率35%。前者は20%いくかいかないかぐらいかと思います。
この差は大きすぎますよね。ほぼ倍です。
おまけに前者は売り上げる数字も小さので、採用コストつまりは給料も大きく出せない。
すると経営者の悩みとして、次々と辞めていく人の補充を絶え間なくしないといけない状況が起こります。
ちなみに私は悩みはないですが、課題があります。
私のところも含め現在の訪問看護ステーションのサービスだけでは、より良いサービスになっていないのではと感じています。
ですから私は、私が既に運営している“24時間365日のサービス提供”ができる介護施設のような状況の訪問看護ステーションを作りたいと考えているのです。
訪問看護でお伺いをしている1人の利用者様に訪問介護も提供し、場合によったら訪問診療もその他サービスも次々と提供できる、そんな事業者になりたいのです。
そして、現在ご利用いただいている1000名弱の利用者様にもそうした多方面からの手厚いサービス提供をはかっていきたい。それが私の課題です。