円仁会の上村です。

ケアマネジャーの不足が、介護業界の大きな課題になっています。

私は、この問題を解決するためには、ケアマネジャーの待遇をもっと引き上げる必要があると考えています。

もちろん、給与を上げれば人が集まる。

そんな単純な話ではありません。

大切なのは、待遇を上げても事業所として利益を残せる経営モデルをつくることです。

私は、ここにこそ向き合う必要があると考えています。

ケアマネ1人で年間960万円の売上をつくる

私たちの事業所では、ケアマネジャー1人あたりの平均売上は、加算を含めて月約80万円です。

年間にすると、約960万円になります。

ここで重要なのは、単純に担当件数を増やして売上をつくっているわけではないということです。

ケアマネジャー1人あたりの担当件数は、決して少なくありません。

だからこそ、ケアマネジャー本人がすべての業務を抱え込む経営にはしません。

事務作業や連絡業務など、ケアマネジャーでなくてもできる仕事は、周囲が支える。

ケアマネジャーには、ケアマネジャーにしかできない仕事に集中してもらう。

この考え方が、生産性を高める土台になります。

高待遇は「給与を上げる」だけでは実現できない

私は、ケアマネジャーの待遇を上げること自体は、それほど難しいことではないと思っています。

給与を上げればいいからです。

しかし、それでは経営が続きません。

売上が変わらないまま人件費だけを上げれば、当然、利益は減ります。

だから必要なのは、給与を上げる前に、まず生産性を高めることです。

業務を分解する。

ケアマネジャーが担う仕事を明確にする。

周囲が支えられる仕事は、サポートする。

そして、1人あたりの生産性を高める。

その結果として生まれた利益を、人材に還元していく。

この順番を崩さないことが大切です。

管理者1人に組織を背負わせない

もう一つ、ケアマネ事業所の経営で見落とせないのが、管理体制です。

ケアマネジャーが増えれば、管理者の仕事も増えていきます。

そこで「管理者なのだから」と、すべてを一人に背負わせてしまう。

これでは、組織はどこかで限界を迎えます。

だから私は、管理者が管理できる人数にも上限を設けるべきだと考えています。

一定の人数を超えたら、管理体制そのものを分ける。

一人の管理者が抱えられる範囲を明確にする。

そして、小さな単位で組織をつくりながら、全体として大きくしていく。

これは、ケアマネ事業所を継続的に成長させるための基本的な考え方です。

年収560万円、主任ケアマネは610万円

こうした経営モデルをつくることで、私たちは、

一般ケアマネジャーは年収560万円〜。

主任ケアマネジャーは年収610万円〜。

という待遇を実現しています。

大切なのは、この金額そのものだけではありません。

「年収610万円を払う」という目標を先に掲げるのではなく、その給与を払っても利益が残る事業構造を先につくることです。

待遇は、経営の結果として生まれるものです。

だからこそ、

生産性を高める。

利益を出す。

その利益を人材に還元する。

この循環をつくる必要があります。

訪問看護の経営経験をケアマネ事業所にも活かす

私たちの場合、こうした経営を考えるうえで、訪問看護を経営してきた経験も大きく関係しています。

これまで訪問看護の経営でつくってきた、採用、教育、バックオフィス、DX、地域との連携などの仕組みを、ケアマネ事業所にも活用することができます。

一つひとつの業務を属人的に処理するのではなく、組織として支える。

経営者がすべてを管理するのではなく、管理できる単位に分ける。

そして、現場の生産性を高めながら、人材への還元を大きくしていく。

これが、私たちが考えているケアマネ事業所の経営モデルです。

ケアマネ不足を「採用」の問題だけにしない

ケアマネ不足を解決するために、「ケアマネジャーを増やそう」と言うだけでは、問題は解決しません。

待遇を上げる。

働きやすい環境をつくる。

本来の仕事に集中できる体制をつくる。

そして、それを継続できるだけの利益を生み出す。

ここまでを一つの経営として考える必要があります。

私たちは、2026年内には約20名体制を実現する予定です。

そして2027年には、新たに40名のケアマネジャーを迎えたいと考えています。

これは単純に人数を増やしたいからではありません。

ケアマネジャーが長く働くことができ、十分な待遇を受けながら、事業としても利益を残せる。

そんな事業所を、より大きな規模でつくっていきたいと考えているからです。

ケアマネ不足を本気で解決するのであれば、現場に「もっと頑張ってもらう」だけでは足りません。

経営者が、働く人が力を発揮できる仕組みをつくる。

そして、その仕組みによって生まれた利益を、人材に還元する。

私は、これがこれからのケアマネ事業所経営に求められる考え方だと思っています。