
円仁会の上村です。
会社が年商10億円を超えてくると、経営者の考えることも変わってきます。
それまでは、既存事業をどう伸ばすかが大きなテーマだったかもしれません。
- 売上を増やす。
- 人を採用する。
- 拠点を増やす。
- 利益を残す。
そうした取り組みを積み重ね、会社を成長させていく。
しかし、一定の規模まで会社が大きくなると、次の問いが出てきます。
「次に、どんな事業をつくるのか。」
既存事業をさらに伸ばすのか。
新しい市場へ進出するのか。
M&Aをするのか。
それとも、自社で新しい事業を立ち上げるのか。
年商10億円を超えた企業にとって、次の成長をどこにつくるのかは、その後の会社の姿を左右する重要な経営判断になります。
私は、その選択肢の一つとして、訪問看護への参入を考えてほしいと思っています。
ただし、単純に「訪問看護ステーションを1拠点開業する」という話ではありません。
10億円企業が訪問看護に参入する意味
年商10億円規模の会社から見れば、訪問看護1拠点の売上は、会社全体からすれば大きなインパクトではありません。
もちろん、1拠点でも利益を生み出すことはできます。
しかし、新しい成長事業として考えるのであれば、そこで終わってしまっては意味がありません。
考えるべきなのは、
「訪問看護を、どこまで大きな事業にできるのか」
ということです。
- 1拠点で事業モデルを確立する。
- そこから2拠点、3拠点へ展開する。
- さらに5拠点、10拠点へ広げる。
- 早ければ2〜3年で10拠点を目指す。
- その先に20拠点という規模も見えてきます。
そう考えると、最初の1拠点の意味が変わります。
1拠点目は、ゴールではありません。
10拠点、20拠点の事業をつくるための、最初の1拠点です。
10拠点になったときの組織を、1拠点目から考える
訪問看護は、人材、教育、営業、管理者、本部機能など、拠点数が増えるほど経営の仕組みが重要になります。
1拠点なら、管理者を中心に運営できます。
経営者自身が現場の状況を把握することも、それほど難しくありません。
しかし、3拠点、5拠点、10拠点となれば話は変わります。
- 採用をどうするのか。
- 教育をどう標準化するのか。
- 管理者をどう育てるのか。
- 営業をどう管理するのか。
- 各拠点の数字をどう把握するのか。
- 本部機能をいつ、どのようにつくるのか。
拠点が増えるほど、経営者一人が直接見られる範囲には限界があります。
つまり、1拠点の訪問看護ステーションと、10拠点の訪問看護事業では、必要な組織そのものが違います。
だからこそ、10拠点になってから組織を考えるのでは遅い。
10拠点になったときの組織を、1拠点目から設計する。
採用も、教育も、営業も、システムも、最初から成長を前提に考える。
これが、訪問看護を「1拠点の事業」ではなく「成長事業」としてつくるということです。
小さく始めることと、小さな事業をつくることは違う
新規事業では、「まずは小さく始める」という考え方があります。
これは間違いではありません。
最初から大きな投資をするのではなく、まず市場を見て、事業モデルを確認しながら段階的に成長させていく。
合理的な方法です。
ただし、
「小さく始める」ことと「小さな事業として考える」ことは違います。
最初の1拠点を小さく始めてもいい。
しかし、10拠点を目指すのであれば、10拠点に展開できる事業モデルとして1拠点目をつくる必要があります。
「今の運営ができればいい」のではありません。
「この仕組みを10拠点まで展開できるか」
という視点で考える。
ここを最初から持っているかどうかで、採用、教育、管理者育成、営業、システムへの投資判断も変わってきます。
「開業資金」ではなく「成長するための投資」を考える
訪問看護への新規参入を考えるとき、
「1拠点を開業するには、いくら必要なのか」
という問いが出てきます。
もちろん、開業資金は重要です。
しかし、年商10億円以上の企業が新規事業として訪問看護を考えるのであれば、それだけでは足りません。
考えてほしいのは、
「10拠点〜20拠点の事業をつくるために、どれだけ投資できるのか」
ということです。
必要なのは開業資金だけではありません。
- 採用。
- 教育。
- 管理者育成。
- 営業。
- システム。
- 本部機能。
- そして、次の拠点を出すための投資。
事業を大きくするのであれば、それに合わせた投資が必要になります。
事業を大きくするためには、大きくするための投資が必要です。
無駄な投資をする必要はありません。
しかし、必要なところには先に投資する。
その判断が、新規事業を成長させるうえで重要になります。
年商10億円企業だからこそ活かせる経営資源
年商10億円まで会社を成長させてきた企業には、すでに経営資源があります。
人材があります。
採用や組織づくりの経験があります。
営業や管理の仕組みもあります。
本部機能を持っている会社もあるでしょう。
これまで築いてきた地域とのつながりもあります。
こうした経営資源を、新しい事業に活かすことができます。
つまり、何もないところから訪問看護を始める必要はありません。
すでに持っている経営資源を、次の成長にどう使うのか。
ここに、既存企業が訪問看護へ参入する強みがあります。
既存事業とのシナジーを考える。
人材や本部機能を活用する。
これまでの営業基盤を活かす。
会社として積み上げてきたものを組み合わせながら、訪問看護を育てていく。
新規事業だからこそ、ゼロから考える必要はないのです。
訪問看護を「次の成長事業」として考える
訪問看護は、地域に必要とされる事業です。
高齢化が進む中で、医療や介護を必要とする人が住み慣れた地域や自宅で生活を続けるための支援は、ますます重要になります。
その中で、訪問看護が果たす役割も大きくなっていくと私は考えています。
だからこそ、訪問看護への参入を考えるのであれば、単に「新しい売上をつくる」という発想だけではもったいない。
会社の次の成長を担う事業として育てられるか。
ここを見るべきです。
1拠点をつくって終わるのではない。
2拠点、3拠点へ展開する。
5拠点、10拠点を目指す。
その先に20拠点を描く。
そのために必要な組織をつくり、必要な投資を行い、既存事業で培ってきた経営資源を活用する。
私は、これが年商10億円企業が訪問看護へ参入する意味だと考えています。
次の10億円、20億円を担う事業をつくる
年商10億円を超えた経営者にとって、次のテーマは「どうやって10億円を達成するか」ではありません。
その先に、どんな会社をつくるのか。
そして、
「次の成長をどこにつくるのか。」
ここが重要な経営判断になります。
その選択肢は、既存事業の拡大だけではありません。
M&Aもある。
新しい市場への進出もある。
自社で新規事業をつくる方法もある。
その一つとして、訪問看護があります。
ただし、訪問看護ステーションを1拠点開業することだけを目的にしない。
1拠点目を、10拠点、20拠点の事業をつくるための起点にする。
大きくなったときの組織を先に考える。
必要な人材、教育、営業、システム、本部機能に投資する。
そして、既存事業で培ってきた経営資源を活かしながら、新しい事業の柱をつくっていく。
年商10億円を超えた経営者だからこそ、訪問看護を「小さな新規事業」ではなく、**「次の成長事業」**として考えてほしいと思っています。