
円仁会の上村です。
看護師を採用するとき、経営者や採用担当者は、どこを見ているでしょうか。
- これまでの経験。
- 保有している資格。
- 身につけてきた知識や技術。
もちろん、こうしたスキルは重要です。
特に訪問看護では、一定の経験や判断力が求められます。
だからこそ、面談では「これまで何をしてきたのか」を確認することになる。
ただ、今回あらためて採用チームに話を聞いてみて、私が印象に残ったのは、スキルだけではなく、その先まで見て採用していたことでした。
まるっとけあでは、スタッフが長く働いてくれています。
では、なぜなのか。
採用チームが看護師の面談で見ていることを、あらためて聞いてみました。
そこで出てきたのが、スキルだけではなく、
「この人は、まるっとけあでどんな未来を掴もうとしているのか?」
という視点でした。
スキルだけを見て採用すると、組織は強くならない
看護師の採用ですから、当然スキルは確認します。
どのような医療現場を経験してきたのか。
どのような知識や技術を持っているのか。
訪問看護であれば、利用者さんの状態をどう判断できるのか。
こうした部分を確認するのは当然です。
ただ、それだけではありません。
むしろ私たちが見ているのは、
「そのスキルを使って、これから何をしたいのか」
という部分です。
「これだけの経験があります」
「これだけのことができます」
そこだけを強くアピールする人もいます。
しかし、私たちが一緒に働きたいのは、そこで終わらない人です。
- 「今までの経験を生かして、もっと新しいことをやってみたい」
- 「この環境で、自分自身も成長したい」
- 「ここで働くことで、自分の可能性を広げたい」
そう考えている人です。
経営者として採用を考えるなら、ここは非常に大きな違いだと思います。
「今まで」と「これから」は違う
これまでの経験は、その人が積み上げてきたものです。
それは簡単には身につきません。
だから、経験者を採用することには大きな価値があります。
一方で、経験が豊富だからといって、これからも成長し続けるとは限りません。
ここは分けて考える必要があります。
医療も介護も、これから変わっていきます。
- 利用者さんのニーズも変わる。
- 制度も変わる。
- 働き方も変わる。
- 組織のあり方も変わる。
その変化に対して、
「今までこうだったから」
と考えるのか、
「もっとこうしたら良くなるのではないか」
と考えるのか。
この差は、時間が経つほど大きくなります。
だから面談では、発想力や柔軟性、変化への対応力も見ています。
新しい仕組みができたとき、新たな状況が加わった時に、
「面倒なことが増えた」と考える人なのか。
それとも、
「面白そうだ」と考えられる人なのか。
私は、この違いが組織の未来を左右すると言っても過言ではないと思っています。
マネジメント能力は管理者だけのものではない
もう一つ、採用チームが見ているのがマネジメント能力です。
ここでいうマネジメントは、管理者として部下を管理する能力だけではありません。
- 自分自身をマネジメントする。
- 時間をマネジメントする。
- 利用者さんとの関係をつくる。
- 周囲と協力しながら仕事を進める。
訪問看護では、こうした力が非常に重要になります。
訪問看護師は、一人で利用者さんのご自宅へ訪問する場面が多い仕事です。
だからこそ、自分で考えて行動する力が必要になります。
事業が大きくなるほど、すべてを管理者が指示する組織には限界があります。
自分で考え、判断し、必要なときには周囲に相談する。
そして、チームとして仕事を進める。
こうした力を持った人が増えるほど、組織は強くなっていきます。
「人を育てたい」という人が組織を強くする
そして、もう一つ見ているのが、
「人を育てたい」という志向があるか
ということです。
自分自身が成長することはもちろん大切です。
ただ、組織を大きくしていくなら、それだけでは足りません。
自分が身につけた経験を、次の人に伝える。
後輩を育てる。
仲間の成長を応援する。
そういう人が一人、また一人と増えていくことで、組織は強くなります。
経営者がすべてを教える組織には限界があります。
管理者だけが人を育てる組織にも限界があります。
現場で働く一人ひとりが、
「自分が成長したら、今度は誰かの成長を支えたい」
と思えるようになれば、組織の成長は次の段階に入ります。
だからこそ、採用の段階から、この志向を見ているのです。
採用で見るべきなのは「現在地」だけではない
面談というと、
「あなたは何ができますか?」
という質問をする場だと思われがちです。
しかし、本当に見なければならないのは、それだけではありません。
「これから何をしたいのか?」
「この会社で、どんな未来をつくりたいか?」
ここまでを突き詰める必要があると思います。
スキルとは、その人がこれまで積み上げてきたものです。
一方で、発想力や変化を楽しむ力、自分をマネジメントする力、人を育てる力は、これからのその人をつくっていくものです。
採用とは、今できることだけを評価することではなく、
これから何ができる人になるのか。
そこまで含めて、その人の可能性を見ることです。
そして経営者にとっては、その人がこれからどんな人材になるのかを考えることが、そのまま組織の未来を考えることにもつながります。
私たちは、完成された人材だけを探しているわけではありません。
自分の経験を生かしながら、さらに成長したい。
新しいことに挑戦したい。
そして、いつかは自分の経験を誰かに渡していきたい。
そんな未来を考えている方々と、一緒に組織をつくっていきたいと考えています。
採用で見るべきなのは、その人の「現在地」だけではない。
その人が、これからどこを目指しているのか。
私は、そこが採用の本質だと思っています。