お世話になっております。インキュベクスの上村です。

本日は、弊社でも最近問い合わせが増えている、訪問看護ステーションのM&Aについて考えてみたい。

営業利益1億円を生み出す訪問看護というビジネス

弊社ではこの9年間で、訪問看護ステーションの立ち上げを900社近く展開している。

日本全国に広がるパートナー様は皆さんずいぶんと成長され、9年前のご契約者様の中には、営業利益が年間1億円を超えるような方から、東北ナンバー1にまで成長した方など、多くの企業家を輩出してきた。

訪問看護ステーションは、僕の中ではサービス業だ。

その訪問看護ステーション事業で、M&Aの動きが増えている。

年間営業利益の4倍前後で訪問看護ステーションが売買されている

ここ数年、訪問看護ステーション経営を推進されるお客様のうち、会社そのものを売却する経営者がだんだんと増えてきた。

私たちのパートナー様の多くが民間事業出身者であることも、その理由の一つかもしれない。

ちなみに、訪問看護ステーションの売却価格は、年間営業利益の3~4年分というのが、僕の中での相場感。

最近では30代前半の女性理学療法士が創業した訪問看護ステーションが、驚くような高値で売却されたし、9年ほど前に訪問看護ステーションを創業した歯科医師も、横浜市内の訪問看護ステーションを売却した。

ほかにもたくさんの方が、事業の売却に成功している。

訪問介護ステーションは営業利益20%のサービス

簡単な表現では、訪問看護ステーションは年商1.2億円〈月商1000万円〉であれば、年間2400万円(月間200万円)の営業利益が残るビジネス。

この時点で会社を売却する場合、売却価格は2400万円の4倍、すなわち1億円前後が売却目安額といえる。

最も早い方で、創業から2年程度でこのレベルまで達成したという方がいる。

その方は医療職ではなく、製造業出身の民間事業者。

参考までに、年商1.2億円の訪問看護ステーションというと、勤務する看護師・療法士が13名。そしてご利用者様がおおよそ150名前後、というのが平均的な数字だ。

2040年まで成長が加速する医療ビジネス。医療者よ、起業して!

「訪問看護ステーションで起業したらいい!」

この言葉は、実は私が直営する事業所のスタッフにも伝えている。

その理由は、次のようなメリットがあるからだ。

1) ビジネスモデルが極めてシンプル

僕の中では、訪問看護ステーション経営は、経営的な業務経験が2、3年あれば、十分に展開できる。


2) 小資本で展開できる

訪問看護ステーションは、医療者が立ち上げる場合は500万円前後でも可能。

民間事業者による場合は、少なくとも1500万円ほどの準備をおすすめしている。

弊社直営ステーションの場合、20代でも600万円前後に手が届く給与設定なので、3、4年で1000万円を貯金するのも極めて現実的であるといえる。


3) ケアマネ―ジャー100名とのつながりで、毎月10件程度の打診を受けられるビジネス。

訪問看護ステーションは、とても規則性のあるビジネス。傾向の一つとして、ケアマネージャー100名とのつながりがあれば、少なくとも毎月10件程度の業務以来が打診されるといっても過言ではない(ここは事業説明会にて詳しく説明しています)。


例えば、不動産業では「千三つ」と表現されるほどの激しい競争が繰り広げられるけれど、訪問看護ステーションの営業は、決して断られることのない事業といえる。

つまり、定型業務をしっかりこなせば、必ずや事業目標を達成しやすいビジネスなのだ。

26歳の女性看護師が訪問看護ステーションを起業する

最近お会いしたのは、26歳で起業を決断した女性看護師。
このブログをご覧いただいている方の中にも、「起業する方のモチベーションがわからない」という方もいるかな?

簡単に説明すると、この方の場合はご両親ともに介護ビジネスを手掛けられ、起業すること自体は極めて当たり前のことであったよう。

彼女のモチベーションの一つは、「事業の譲渡」を目指すこと。

考え方はいろいろありますが、4年分の利益を一気に獲得するのも一つだし、売らずにじっくり事業成長させるのもアリ。

弊社は最近、事業譲渡の要請にもこたえられるよう、体制構築を進めている。

事業譲渡は1度ではなく、何度も何度も繰り返す

事業譲渡を検討する方からよくいただくご質問は、
「事業を売却したら、次になにをすればいいのか?」というもの。

僕は迷わず、「エリアを変えて、もう一度訪問看護ステーションの立ち上げと事業譲渡」をおすすめしている。

人生で退職金みたいな大きな金額を何度ももらえるようなイメージを持てるビジネスは、そうそうありません。


上村 隆幸(かみむら たかゆき)

1965年神奈川県生まれ。1998年、起業コンサルタント業を開始し、以来3000社を超える起業支援を手がける。日本の医療のが在宅シフトにともない「子供からお年寄りまで」すべての生活者が安心と幸福を実感できる地域社会づくりに向けて「ケアーズ訪問看護ステーション開業運営支援」を開始し現在全国800社以上をネットワーク。また「介護の王国」では食費を含めた¥95.000を関東圏で実現する。こちらは全国70拠店。

2021年より神奈川県南足柄市で農業生活をスタート。生産者の視点で「農のある暮らし」「農のある医療」「農のある介護施設」づくりを推進している。

青山学院大学 大学院 国際マネジメント研究科 MBA
産業技術大学院大学(AIIT)創造技術専攻 事業アーキテクチャ(修士)
国際医療福祉大学大学院 保健医療学 博士課程(中退)
新極真空手 木元道場所属 初段