ケアーズ訪問看護ステーション起業運営支援の本部と
訪問看護ステーションを運営している上村です。

訪問看護ステーションの営業は関係者を訪問して、挨拶してといった単純な言葉で語られることは少なくない。

今回は、僕が自社の訪問看護ステーション経営における自分の役割(経営者の役割)、
営業標準化のための制度、仕組みづくり、マニュアル化をご紹介いたします。

◆そもそも訪問看護ステーションの営業はどんな看護師・PTにでも出来る!できると心得る(〇〇じゃなきゃできない!を回避する)
民間で勤務経験のある方ならばお手のものでしょう。

◆「どんな看護師でも営業ができるようにできるのか?」
結論から言うと訪問看護ステーションの営業活動は誰にでもできます。
営業経験なんて不要なのです。

「どんな看護師にでも営業が出来る!」と申し上げる最大の理由が1つあります。
それは関係先から聞かれることが決まっているからです。
具体的には、ケアマネージャー、病棟、医師から聞かれることは
「24時間はやってるの?」「土日は?」「精神は?」その他。
ほぼ100%に近い割合で、想定の範囲の質問がくりかえされるのです。

つまり、聞かれることが決まっているわけですから、回答を統一するだけ。
これができれば指名される可能性は極めて向上するのです。

◆「どんな看護師さんでも営業ができるようにするために」
訪問看護ステーションにおける営業活動は自分を売ることではなく、むしろあらかじめ用意された言葉で
誠実に所属するステーションの考え方を述べる。技術やスキルを述べることができれば及第点なのです。

<職場環境作り>
①(PLAN)計画性のある職場をつくる
計画性も多岐にわたります。
営業面でいえば、「営業先は何件あるのか?」「事業目標はどんなか?」「1日あたり何件目標であいさつをしてもらうのか?」
「誰がやるのか?」「報告FORMを使うのか?」「そもそも対象は何をもとめているのか?弱いのか?(インサイトの発掘)」等の
共有があらかじめスケジュール化されている必要があります。

②(DO)やってみる!」
・・聞かれることが決まっているので営業用資料はきわめてシンプルです。
ただし、あたって砕けろはもったいない話。
スタッフ皆との一枚岩で開業時期を乗り越えるためには「教育訓練のある職場をつくる」づくりも推進したいものです。
訪問看護ステーションの営業を “誰にでも出来る” 状態にするためには “時間をつくること”
 訪問看護ステーションの運営にOJT(オンザ・ジョブ・トレーニング)の時間を組み込むことをおすすめいたします。

たとえ、それが1日30分であったとしても月間10時間(年間で120時間)もの教育訓練が提供されるのです。
具体的には「電話対応の手順」を統一し断らない体制ができているか?。
「押収話法」を統一することでヒアリングすべき内容が統一されているか?「主治医は?」の
質問に対する医療連携先の聞き出しができているか?等3(CHECK)評価・分析

③(CHECK)評価・分析
 この学ぶ習慣こそが開業時期を過ぎたあとにはステーションの質の向上、技の向上につながるのです。
その頃には「症例検討会」「PEER(仲間)REVIEW」を通じてナースとリハの交流の恒常化、
「アセスメントプロトコール」を先生とするバラツキの少ない手技、評価ができるステーション経営ができるようになるのです。

その上で個々人の弱点・強化すべきポイントが教育訓練計画として明らかにされている必要があります。

④ACTION(改善し、次回につなぐ)
 訪問看護ステーションの「営業」「採用」「運営」の最適な循環は日常的な業務ですが、最低週に1度の時間で振り返りの時間を持っています。

具体的には「営業計画は妥当か?」「受注件数は妥当か?」「その注文数は現在の採用計画に沿っているのか?」「OJTの時間は取れているのか?」
「オンコール担当者はかたよっていないか?」こちらも多岐にわたるチェックが必要です。

◆経営者の役割
最後にどんな看護師さんにでも営業ができるようにするための経営者の役割をご紹介いたします。
「任せている」だけでは近いうちにステーション経営の幕をとじることになるでしょう。

私が思う経営者の役割は測ることだと思っています。
しかも質的、量的な2方向から測ること(メジャメント)対策すること(カウンターメジャー)することにほかなりません。
雰囲気がいいとか、悪いとかは社内紹介制度とあわせて考えたいものです。
①具体的には「営業評価」です。
(質)その営業資料でいいのか?
(量)営業計画と実際のズレは測っているか?
②そして「WEB評価」。
(質)入社したくなる制度設計があるのか?
(量)そもそもWEBは見られているのか?を測り対策しているか?
③OJT「教育評価」
(質)教科書はあるのか?
(量)そもそも教育時間が確保されているか?(教育方法は妥当か?教科書があるか?)
④運用評価
(質)事業目標は共有されているのか?
(量)稼働率はどうなの?

◆付録(標準化すること)
今回、ご紹介させていただいたのはいわゆる標準化です。
訪問看護ステーションの営業活動が誰にでもできるようにするための具体的な方法論は
「業務フローを標準化」と「業務タスクの標準化」をすすめる必要があります。
経営者こそが学び、挑み、チャレンジするPDCAサイクルに身を投じる必要があるように思います、

◆業務標準化
標準化とは、業務を進めていく際の一連の流れ(フロー)を従業員全体で統一することです。
具体的には、既存の業務の流れがどのように構成されているか可視化し、そこに内在する問題などを検討・改善した上で、
業務フローの標準的なテンプレートを作っていきます。