弊社では看護師・経営者向けの勉強会を開催しています。

今回は9月14日(火)に開催された勉強会での質疑応答の1部をご紹介いたします。

Vol.1 地域に求められる訪問看護ステーション

第1回 地域に求められる訪看ステーション

第2回 訪問看護の売り上げ及び販管費

第3回 訪看スタッフの採用について

Vol.2 新規利用者20名/月以上を獲得できるステーション

第1回 新規利用者20名以上を獲得できる条件等

第2回 ステーション運営の収支(加算項目等の確認)

第3回 訪問看護ステーションの業務の標準化(ルール)

Vol.3 精神疾患等の訪問看護及びグループホーム運営

第1回 精神疾患及びグループホームの社会的ニーズ

第2回 事業運営の収支管理等

第3回 グループホーム運営のオペレーションを円滑に行うコツ

Vol.4 1部屋最大80万円を狙う介護施設事業運営

第1回  1部屋最大80万円を狙う介護施設とは?

第2回  最大化するための売上管理等

第3回  介護施設のオペレーションを円滑に行う

質疑応答の一部をご紹介


◆Q.「ホスピス住宅について詳しく知りたいです」

A、有料老人ホーム(小規模多機能、グループホーム等)に入居の方に訪問していました。ホスピスのみはないです。ホスピス可の施設はあります。

◆Q.「収支はどれくらい?」

A. ご利用者様の1割負担で5~6万、売上でいうと50〜60万。
例えば、ターミナル期の方はむくみがたまって苦しくなると、ご家族が不安になり、朝夕・夜間緊急対応になります。緊急カンファレンス加算(月2回しかとれない)があり、合わせて50〜60万くらいとれます。

Q.「参入しづらい分野として精神科がありましたが、精神科に特化したステーションはなぜ参入しずらいのでしょうか?もう少し詳しく知りたいです」

A. 精神はキャンセルが多い等、特化したものにすると訪問稼働を安定させるのは難しくなります。
内科的な疾患で指示書を書くことが多かったのですが、最近は精神の指示書が書ける医師が増えました。以前は100人に1人くらいでした。今は10%くらいに上がっています。在宅療養のケアが増え、在宅で療養している方が多いという印象です。看護師、ヘルパーを入れてやっている在宅系サービスも充実してきました。
こういったニーズが社会的にあると感じています。

Q.「収支面は収益性を高めるには? 経営上楽になるには?」

A. 訪問看護はどのステーションも、地域のニーズにこたえるためにやっています。ベストはどれにもこたえられる訪問看護ステーション!何を頼まれても受け皿がある!が大事です。そしてとれる加算はしっかり上げていく。なるべくキャンセルを出さない(こちら事情)。
もしアクシデント等が発生した場合はどう動くか。災害時、急なアクシデントにも強いステーションになることが必要です。


◆Q.「さらにステップアップするには?」

A. 新しい分野の受け入れをしていきます。現在働いている看護師さんのフォローは大事です。
看護師さんは慎重派。安全が大好き。経験がない分野、不安な分野はやりたがらない。
独り立ちさせてやるのは経験のあるスタッフと組んでもらう等、一人でいけるようにステーション内でサポートしましょう。


◆「Q.1人の管理者が見れるスタッフ数、利用者様数はどの程度でしょうか」

A. 5〜6人を超えると管理が行き届かなくなります。10人くらいになったら管理者の右腕をサポートとしてつけておくと良いかと思います。リハさん5人ーリーダー1名、看護師5名ーリーダー1名のような5人ずつくらいのチームにわけて管理するのが良いです。スタッフの人数が増えると大変です。管理者さんに話を聞いて欲しい、見守っていて欲しいスタッフは多いので、目が行き届く5人くらいがよいです。


◆Q「医師の中にクセの強い人がいます。ステーションの常識が通用しない場合もあり、たまに地雷を踏んでしまいます…

医師のクセについての見分け方や対処法についてお聞かせください」

A. 地雷を踏んでいいです!最初は低姿勢で交渉して、常識が通用しない場合はバンバン地雷を踏む。先生も変わってもらわないといけないですね。利用者様のことを考えていない先生もいます。 信頼できない先生とは組まないのがいいでしょう。
先生も選ばれる時代になってきています。もし電話切った後に怒られても負けないで!
利用者様の盾になって!先生が成長してくれるといいですね。


◆Q「先程のお話でターミナル期で連日訪問されるとありましたが、職員一名あたり一日平均何件くらい回られているのでしょうか?」

A. 地域性もある、人口密度にもよるところは・・山間部4件くらいというところもあります。
点滴の管理、薬剤の管理、ご家族の精神的な管理等です。1日2回まで。緊急訪問用に1回はとっておく。
1日に4件全部ターミナルは組まない方がいいです。気持ちが重くなってしまうし、調整が結構多いのでバランスが悪くなるので、1日1~2件がいいですね。


◆Q「ターミナル期スタッフ1人あたりは何名ですか?予備要員は?」

A. 1人受け入れて様子見ですね。どんな人だったら受け入れられるかイメージしてみることです。ご家族のニーズ、先生の指示にもよります。業務の効率を考えて日々やっていました。ご家族の介護力があればご家族を指導してやってもらったり。。。
予定を立てても体調で変わるので、予定通りにはいきません。稼働がきつくなりますので、訪問回数を調整しましょう。
業務調整、スケジュール調整は大変でしたので、お断りすることもありました。勇気ある決断をしましょう!
最初に数字だけ求めていくと足元をすくわれます。チームでケアしていくので、チーム内で「今回こういう人がきているけどどう?がんばれそう?」とスタッフと話し合いましょう。意識を合わせておくのが大事です。


◆Q「朝礼を毎朝20分、週1回の全体ミーテイングを1時間行っています。」

A. 朝礼やミーテイングの内容はどのようなことをするのが理想の内容だと考えておられますか?
私もコロナ前まではやっていましたが、情報共有は朝礼でなくてもできると思い変更しました。朝礼でやった方がいいものは、事業所の経営理念、ステーションの方向性、理念に基づいてそれにそった話をすることです。結果、一人一人の稼働数が30〜40%くらい上がりました。朝礼では10分以上しゃべりません。あきちゃうので、スタッフの顔は常に見ておきます。そうすることで一体感が生まれます。


◆Q「現在コロナで、直行直帰を推奨しております。オンラインでカンファは行っておますが、以前より職員の皆様のコミュニケーションが薄くなってきている気がします。何かコミュニケーションのあたりで取り組まれていることはありましたか?」

A. オンラインでコミュニケーションをとってもさみしくなってしまいますよね。私も年4回くらい面談をやっていました。1対1、2対1(リハ、リハリーダー)など。お子さんの体調、家族とうまくいっている?等聞いていました。コミュニケーションをとるだけでも違います。スタッフさんもSOSが出しやすくなります。電話1本でもいいのでぜひ!
管理者とスタッフ間だけでなく、スタッフ同士もコミュニケーションをとるのが大事です。コミュニケーションツールをうまく使うといいと思います(LINE等)。


◆Q「インキュベックスの使い方!」

A. INQのサポートがあったからやってこられました。潤滑油になりました。使い倒してください!動画になかったり研修にない部分もサポートに連絡して解決できました。初期の方の悩み、中期の悩みは違います。アンテナをはっておくのがいいと思います。INQの情報は役に立つので利用してください!


◆その他

日中の緊急オンコール要員は配置していませんでした。管理者もまわることが多いです。
ご了承いただいた上でのサービスにしておくと良いでしょう。
バックヤードの事務さんに「〇分遅れると電話しておいて」と言っておく等をルール化をしておくような工夫が大事です。
トリアージュをつける、訪問を組み替える等。状況に応じての判断が良いでしょう。